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あおり運転事故に見る、煽る側と煽られる側の特徴

2018年12月13日

あおり運転事故に見る、煽る側と煽られる側の特徴

東名あおり運転事故に見る、煽る側と煽られる側の特徴を元トラック運転手が解説。

2018年12月12日 8時32分 HARBOR BUSINESS Online

あってはならない煽りによる事故。煽る側と煽られる側の特徴を知っておけば、未然に防げる


「トラックドライバーが一般ドライバーに知っておいてほしい“トラックの裏事情”」をテーマに紹介している本シリーズ。

 前回は一旦シリーズを離れ、「運送業界のドライバー不足を、外国人労働者では補えない理由」を紹介したが、今回は、長年高い目線から「隣の運転事情」を数多く見てきた元トラックドライバーとして、昨今問題になっている「煽(あお)り運転が起きる原因」を考察してみたい。

 昨年6月、神奈川県の高速道路で悪質な煽り運転を受けた末、夫婦と娘2人が死傷した事故。危険運転致死傷などの罪に問われている石橋和歩被告に、間もなく判決が言い渡されるが、元トラックドライバーとして同事故の個人的見解を述べると、一家4人を乗せたワゴン車に対して妨害運転を繰り返したうえ、停車が原則禁止されている高速道路の追い越し車線にクルマを停めさせ、一家を死傷させる結果に追いやった被告の罪は、大変重い。

 一口に、追い越し車線にクルマを停めさせることは、殺人行為であると断言できる。

 同車線を走るクルマの平均時速は約100km。このスピードでクルマが障害物に衝突した際、高さ39m(ビル14階相当)から落下した際と同じ衝撃が生じるのだ。

 一方、ワゴン車に追突した大型トラックは、本来追い越し車線の走行が禁じられてはいるものの、夜の追い越し車線にクルマを停めて人が悶着していれば、たとえトラックでなくとも、危険を察知してブレーキを踏み、クルマが完全停止するまでの「停車距離」は相当必要となり、彼らを避け切るのは非常に難しく、夫婦は今回の結果同様に、助からなかった可能性が高い。

 そう考えると皮肉なことだが、ドライバーにとっては衝突したのがトラックでよかった可能性も出てくる。車高が高く、車体も強いトラックだったからこそ、ドライバーの命は助かったが、これがもし乗用車だった場合、追突したほうのドライバーも死亡していた可能性があるのだ。

 こうしたことから、追い越し車線を走行していたという落ち度はあれど、今回追突してしまったトラックドライバーは、同じ車両に乗っていた筆者から見ても、巻き添えを食ったとしか言いようがなく、地検の下した不起訴処分は妥当だったと言えよう。石橋被告の裁判で、「両親を奪い申し訳ない」と遺族に反省の意を表した同ドライバーの心情を考えると、大変複雑な気持ちになる。

 このような大きな事故に繋がり兼ねない危険運転だが、煽り運転そのものは、ドライバーにとってそれほど珍しいものではない。この東名死亡事故のような悪質なケースは稀としても、普段、日常的に運転しているドライバーならば、誰しもが煽られた経験、または煽ってしまった経験があるはずだ。

 アイポイントが高いトラックの車窓から、隣の運転事情を観察していた当時、実に様々な光景を目の当たりにしたのだが、中でも多く遭遇したのは、やはりこの煽り運転などの危険運転だった。

 この煽り運転には、煽られる側にも煽る側にも、それぞれ特徴と原因がある。

 煽られる側の特徴と原因はこうだ。

1.運転弱者
 初心者や女性、高齢者の中には、運転が得意ではない「運転弱者」が比較的多く存在する。

 彼らの場合、無意識のうちに、無駄なブレーキを頻繁に踏んだり、車間が上手く取れず詰めすぎたり、出すスピードが安定しなかったりすることで、周囲のドライバーをイライラさせてしまうことがあるが、こうした彼らの運転が、後述する「煽る側」の引き金になることがある。

 中には、運転弱者ばかりを狙う悪質なドライバーもおり、初心者や高齢者が理解を得るために貼っている「マーク」がむしろ、彼らに向けた「目印」になっているのも事実だ。


2.大型トラックと軽自動車
 今シリーズでは、過去に「大型トラックがノロノロ運転せざるを得ない事情」を説明したが、そちらで解説したような理由から、多くのトラックドライバーが、乗用車などからの煽りを経験している。

 一方、トラックの車窓から見る限り、それに匹敵するほど多く感じるのが、他車両による「軽自動車」への煽り運転だ。

 軽自動車に乗っているドライバーには、前出の「運転弱者」が比較的多いというのが1つの要因になっていると思われるが、軽自動車はクルマの構造上、どうしても他車より衝撃に弱いため、事故を起こすと被害が大きくなりやすい。ゆえに、軽自動車のドライバーは、後述する「煽られないための対策」や「煽られた時の対処法」をより強く検討したほうがいいかもしれない。

◆煽る側の4つの特徴

 反対に、煽る側の特徴と原因には、次のようなものがある。

1.時間的余裕のないドライバー

 一番シンプルな煽り運転発生の原因になるのが、「急いでいる」という理由だ。

 約束の時間ギリギリという時、人は法定速度で走る前のクルマにさえもイライラすることがある。が、原因が単純だと解決方法も単純で、この場合、時間に余裕を持って自分が早めに出発すればいい。これで全てが解決する。

2.高級車に乗った凡人

 あくまでも筆者の個人的見解なのだが、煽り運転は、「凡人」が「高級車」に乗ると起きやすいように感じる。

“中身(=ドライバー)”とクルマの外見に差のない「ホンモノの高級車乗り」らは、金・時間・心に余裕があるため、運転も自然と余裕を持ったものになるのだが、背伸びして高級車で乗り飾った「凡人」は、その「勘違いなグレードアップ」に気を大きくし、前のクルマを煽ることで、必然的に周囲から注目を浴びるシチュエーションを作り上げて、目立とうとするのだ。

 こう考えると、高級車の煽り運転ほど格好悪いものはない。筆者は勝手に「煽り運転をする高級車の“中身”は、実に大したことない」と思っている。


3.行き過ぎた正義を振りかざすドライバー

 本来、安全確保のために存在する「交通ルール」だが、昨今、この存在に固執しすぎる一部のドライバーの「行き過ぎた正義感」によって、煽り運転が生じているように思えてならない。

 正義感が強すぎるドライバーは、自分が優先である状況の中、相手の無理な割り込みや、「お礼の合図」がないなど、ちょっとしたルール・マナー違反でも見過ごすことができず、追いかけて「罰」を与えたくなるのだ。

 彼らによる煽り運転は、日本がルールやマナーに非常に厳格な国だからこそ起こり得ることだと考えられる。

 実際、日本よりも比較的気性の荒い人が多く、ルールやマナーに幅を持たせるニューヨークや韓国では、ものすごいスピードで走ったり、車内で汚い言葉を連呼したりするドライバーは数知れないものの、煽り運転においては、日本ほど多くない。

 そう考えると、「行き過ぎた正義」や「自分にあるはずの優位性の侵害」から起きる煽り運転は、かつて日本で問題になった、店員に土下座を強要するクレーム客の心理に似ているのかもしれない。

4.悪質ドライバー

 煽る側には、先述通り「運転弱者」を物色したり、「煽り」そのものを楽しむ悪質なドライバーがいる。前出の東名高速死亡事故の容疑者も、まさにこの部類だ。

 他ドライバーのミスやマナー違反などに難癖をつけて煽るのだが、彼らの本当の動機は、日頃に溜めたうっぷんを晴らしたり、“快感”を得るためだったりするため、とにかくしつこい。

 こうした悪質ドライバーには、今回の東名死亡事故をきっかけに厳罰化された法律をもって、積極的かつ厳しく取り締まってもらいたいところだ。


 このような煽り運転に巻き込まれない方法として、ルールやマナーを守らない周囲のクルマに寛容になりつつ、自分はそれらをしっかり守ることが、1つの打開策になる。

 また、ドライブレコーダーの取り付けは、トラブルになった際の証拠になるだけでなく、搭載している旨を知らせるステッカーをクルマの後部に貼っておくことで、無用なトラブルを未然に防ぐこともできるため効果的だといえる。

 最近では安いものだと1万円を切るものも販売されているが、取り付けが難しい場合、このステッカーを貼っておくだけでも、後方ドライバーにはプレッシャーになるはずだ。

 それでも悪質なドライバーに煽られたら、車外に出たり、煽り返したりせず、とにかく道を譲り、やり過ごすことが重要だ。執拗に追いかけられる場合は、その足で警察署や交番に向かえば、大抵のドライバーは去っていく。

 先述通り、東名高速での事故を受け、悪質な煽り運転など、危険運転に対する罰則が強化されるようになったが、その後も道路では依然として「危険な光景」をよく見る。

 年末年始、久しぶりに長距離や渋滞の中を運転することで、イライラする、またはさせるドライバーも増えるだろうが、皆が帰るべき場所に帰れるよう、各人思いやりを持って安全運転に心掛けてほしい。

【橋本愛喜】
フリーライター。大学卒業間際に父親の経営する零細町工場へ入社。大型自動車免許を取得し、トラックで200社以上のモノづくりの現場へ足を運ぶ。日本語教育やセミナーを通じて得た60か国4,000人以上の外国人駐在員や留学生と交流をもつ。滞在していたニューヨークや韓国との文化的差異を元に執筆中。





引用元の記事はこちら(http://news.livedoor.com/article/detail/15727501/?p=1)


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