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「運賃無料」を実施している島根県の一畑電車

2017年11月13日

「無料乗り放題」続々 効果は?

 東急電鉄が10月9日に行った「池上線フリー乗車デー」。五反田と蒲田を結ぶ池上線の開業90周年を記念し、1日中全線無料で乗り放題という「首都圏の鉄道では初」(東急)のイベントは注目を集め、電車や沿線は多くの人でにぎわった。

【写真】東京・日本橋を終日無料で走っている巡回バス

 異例ともいえる「太っ腹」な運賃無料イベント。だが、実は東急に限った動きではない。11月19日には、一畑電車(島根県)が「感謝祭」として2012年以来3回目となる運賃無料イベントを実施するほか、同じ日には川崎鶴見臨港バス(神奈川県)も創業80周年を記念し、大半の路線で運賃を1日無料にする。


 「運賃無料」はイベントに限らない。東京都心部などでは、街中を循環する無料のバスが以前から運行されており、買い物客などの周遊の足として定着している。

 利用者からの運賃収入で成り立つのが基本の民営公共交通。商業施設の送迎バスなどを除けば、民間が運営する乗り物の無料サービスは珍しい取り組みといえる。あえて「無料」にする狙い、そして効果はどこにあるのだろうか。

■「無料」で利用者数3.7倍

 秋晴れに恵まれた「池上線フリー乗車デー」の当日。休日の昼間といえば普段はのんびりしたムードの漂う同線は、まるで朝の通勤時間帯かそれ以上の混雑ぶりとなり、「無料で電車に乗れる」というイベントの話題性の高さを見せつけた。東急によると、同日に配布した無料の「1日フリー乗車券」は約19万枚。改札を通過した延べ利用者数は56万9000人といい、過去3年の同日平均である15万3000人の約3.7倍に達した。


 フリー乗車デーは池上線の開業90周年を記念したイベントであるとともに、東横線や田園都市線に比べて低いという同線の認知度向上が大きな狙い。東急の広報担当者は「列車の混雑や遅れなどではご迷惑をおかけしたが、多くの方に池上線と沿線の魅力に触れていただくことができたと思っている」と話す。

 話題を呼んだ池上線のフリー乗車デーだが、電車の運賃を終日無料とするイベントには先例がある。2010年公開の映画『RAILWAYS』で有名になった、島根県の一畑電車だ。松江市内と出雲大社などを結ぶ路線を運行する同社は、2012年4月に創立100周年記念、2016年11月には86年ぶりの新造車両導入記念と、過去に2回の運賃無料イベントを行っており、今年も「一畑電車感謝祭」として11月19日を無料の日にする。


 同社は運営にあたって県や沿線自治体などでつくる協議会の支援を受けており、これまでに行った運賃無料イベントは創立100周年や新車導入を記念した企画であると同時に「そういった意味でも地元への感謝を込めて」(一畑電車運輸部営業課)との意味合いがあるという。だが、補助は基本的に車両や施設といったインフラ面が対象で、営業面については一畑電車の自主努力。イベントについても金銭的な補助は受けていない。

■無料で「乗るきっかけ」づくり


 そんな中で、丸一日無料という思い切ったイベントを行うのは、沿線への感謝とともに、日頃は電車を利用しない沿線住民に対して「乗るきっかけ」を提供することで、通勤・通学などに利用してもらいたいという狙いがある。

 島根県・松江市・出雲市が策定した「一畑電車沿線地域公共交通網形成計画」の資料に掲載された住民アンケート結果によると、過去1年間に一畑電車を利用したことがない人の割合は53.6%に上る。半数以上の人が年に一度も電車に乗っていないという環境では、まず乗ってもらうことが重要だ。


 インパクトのある「運賃無料」の誘客効果は大きく、同社によると2016年11月の新車導入記念の際は、乗客数が通常の日曜日の3~4倍に増加。協賛施設などで特典を受けるのに必要な「乗車証明」は約6400人分配布したといい、車両の増結は行わなかったものの、通常はワンマン運転の電車内に係員を増員して対応した。無料で電車に乗ったことをSNSなどで発信する人も多く、その点でもPR効果はあったという。

 イベント後に沿線住民の利用が増える効果はあったのだろうか。同社によると、「今春のダイヤ改正で列車増発による利便性向上を図っているため『無料の効果』とはっきり言えるかどうかはわからない」としつつも、定期券利用者数は増加傾向だという。同社は「継続的に行うことで効果が生まれるのではないかと思う」と、今後も運賃無料の「感謝祭」を続けていきたい意向だ。


 地元商工関係者も、運賃無料イベントが地域ににぎわいを生む効果を評価する。2016年と今年の両方に協賛している地元の経済団体、平田商工会議所(出雲市)の担当者は「具体的にいくらの経済効果があったかまでは把握していないが、地域がにぎわうという点で効果は大きい。毎年開催するなど(運賃無料の日が)定例化すれば、同じ時期に地域でもイベントを開催するなど、地元もより一緒に盛り上げることができるのでは」と話す。


■川崎ではバスの運賃無料も

 一畑電車と同じ日には、川崎市東部や横浜市北部に路線網を広げる川崎鶴見臨港バスも、創立80周年を記念した「運賃無料デー」を行う。近隣を走る東急池上線より1カ月ほど後の実施となったが、同線の企画とは関係なく「今年度の初めから準備を進めてきた」(臨港バス総務課)。バス会社として初の試みかどうかははっきりわからないものの「珍しい取り組みであることは間違いない」という。

 無料となるのは川崎・横浜市内の均一運賃区間を走る路線。一部対象外もあるが、ほとんどの路線が終日乗り放題となる。川崎市の統計書によると、同市内を走る臨港バスの1日平均乗車人員は約9万人(2015年)。定期券利用者もいるとはいえ、丸1日運賃収入がなくなることになるが「それだけお客様への感謝の気持ちを表したいということ」(同社)であるとともに、やはり「日頃乗らない人にバスを知ってもらう機会」とすることもポイントだ。沿線の見どころなどをまとめたガイドブックも作成し、「バスで出掛ける楽しみ」をPRする。


 交通機関そのものの認知度向上や利用者増加へのきっかけづくりとともに、これまでの例では地域のにぎわいにもインパクトをもたらしている「運賃無料」。イベントではなく、市街地の回遊性を高めるための手段として民間が常時運行している例もある。

 その一例が、日の丸自動車興業(東京都)が都内で運行する4路線の無料巡回バスだ。2000年にお台場の商業施設などを巡る「東京ベイシャトル」を運行開始したのを皮切りに、2003年に「丸の内シャトル」、翌2004年には「メトロリンク日本橋」を開業。2016年10月には日本橋エリアの東部を回る「メトロリンク日本橋Eライン」も加わった。「メトロリンク日本橋」は年間85万人、運行開始から約1年の「Eライン」は、現在は月4万人の利用があるという。


■無料バスというビジネスモデル

 日の丸自動車興業によると、運営はすべて沿線企業や団体の協賛金で賄っており、これらの企業などで構成する「協賛者会」から日の丸自動車興業が委託を受けるという形で運行している。行政の補助などは受けていない。「Eライン」を例にとると、協賛企業には三井不動産や安田不動産、三越や高島屋といった大手企業や老舗デパートなどが名を連ねる。

 運行の目的は、回遊性を高めることによる地域の活性化だ。ルートは協賛者会と同社が共同で決めているといい、たとえば「Eライン」の場合は日本橋エリア中央部のにぎわいを兜町や茅場町など東側にも広げたいという狙いがあったという。


 日の丸自動車興業の担当者によると、企業が協賛する理由は主に「老舗・大手企業の社会貢献」「来店・来街者や社員向けのサービス」としてだという。無料巡回バスの運営は、同社にとっても「地域貢献的な意味合いが強い」というものの、最初の路線開業からすでに17年が経過しており、沿線企業や団体の協賛金による運営というビジネスモデルが成立しているといえる。

 行政の補助を受けず民間で運営している無料バスの例としては、ほかにも自由が丘(目黒区)を走るコミュニティバス「サンクスネイチャーバス」がある。こちらは企業ではなく特定非営利活動法人(NPO法人)の「サンクスネイチャーバスを走らす会」が運営。地元有志によって1997年に運行を始め、今年で20年を迎えた。天ぷら油のリサイクル燃料を使用しているのも特徴だ。


 東急線自由が丘駅を中心とする2つの循環ルートと、付近にキャンパスのある産業能率大学への路線があり、合わせて月1万人弱の利用があるという。運行費用は地域の企業や大学、商店などの「サポーター」による会費で賄っており、「多くはないが個人サポーターもいる」(同会事務局)という。

■イベントとしては高い効果? 

 日頃公共交通を利用していない地域住民の「乗るきっかけ」づくりや認知度アップのためのイベント、地域の回遊性を高める無料巡回バスなど、さまざまな狙いがある「運賃無料」。公共交通の利用者減少や、中心市街地の空洞化に悩む地方都市などで参考になる部分もありそうだ


 だが、協賛金によって常時無料で運行する形は、企業や人などが集まる都市部ゆえに成立している面も大きい。日の丸自動車興業の担当者は「モデルとして(地方から)声をいただくこともあるが、協賛企業が数多く集まる場所でないと難しいだろうと思う」。自由が丘の「サンクスネイチャーバス」も視察は多く、地方自治体関係者などもヒアリングに訪れたことがあるというものの、「条件が(自由が丘とは)なかなか同じにならないということで、同様の仕組みを導入したという話は聞かない」(同会事務局)という。


 一方、イベントとしての「運賃無料」は、丸1日分の運賃収入はなくなるものの、「定期券利用者が多い事業者などであれば、ものすごく厳しいというほどではないのでは」(ある交通事業者関係者)との声もある。

 10月の東急池上線に続き、11月も複数の鉄道・バス会社がイベントとして実施することで、引き続き注目を集めそうな「運賃無料」。公共交通の利用促進に向けた「インパクトあるイベント」として、あるいは地域活性化の1つの手段として、今後も追随する例は現れるだろうか。





引用元の記事はこちら(https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20171111-00197015-toyo-bus_all)


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