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お茶屋には今も「一見さんお断り」の伝統が残る

2017年10月19日

「いちげんさんお断り」の真実 京都の食文化、その訳あり

 花街が夜のとばりに包まれると、店の軒先につるされた提灯がほのかな明かりを放ち石畳を照らす。しっとりとした情緒が漂う京都市東山区の祇園町南側。今もなお「一見(いちげん)さんお断り」の文化が根付くといわれる。
 「入れますか」と恐る恐る高級そうな日本料理店ののれんをくぐると、店主が笑顔で迎えてくれた。一見さんでも大丈夫だった。街を歩いていた花街関係者とおぼしき女性に聞くと、「料理店ではほぼ一見さんお断りはないと思います。守り続けているのはお茶屋では」と教えてくれた。

 ■イケズ?なぜ続く

 格式張って、ともすれば「イケズ」を思い起こす近寄りがたさを感じさせる。なぜこのような伝統が続いているのだろうか。
 「お茶屋は住まいもしているわけどす」と明治期創業の「吉うた」4代目の高安美三子さん(76)は言う。お茶屋は舞妓らがいる女性所帯でもある。「見ず知らずの人がぱっと来て『遊ばせて』と言われても入れしませんよね」。なるほど分かりやすい。

 ■店と客が信頼深め合う知恵

 独特の支払い方法も理由の一つといい、例えるならお茶屋は旅行会社のような「エージェント」だそうだ。舞妓や芸妓の手配以外に、必要ならば料理店などを手配し、料金の立て替えもする。後払いになるため、常連かその紹介があることは、一種の「保険」だ。もし紹介された人が不義理をすれば、紹介した常連が責任を持つことになる。
 客は手ぶらで思う存分に遊べ、お茶屋は知っている常連だからこそ好みを踏まえて最大限のおもてなしができる。「日常を忘れてほっこりしてほしいから」と高安さん。双方の信頼と信用から京都の花街が続いている。

 ■常連客への気遣い

 一見さんお断りではなくても、花街の料理店はどうも物おじしてしまう。実際あえて入りにくい外観にする店もあるという。こちらも根底にあるのは常連への気遣いのようだ。
 約100年続く宮川町の天ぷら割烹(かっぽう)「喜久屋」の主人駒井靖司さん(50)は、「信頼できるお客さんに、また来てほしいという気持ちで商売しています」。客の好みを把握して最良のタイミングで料理を出すよう心掛け、「店で食事をするこの時を、非日常の特別な時間として楽しんでほしい」と心を尽くす。
 レストランやホテルの格付けガイドブックを発行するミシュランの星を断ったという東山区の料理店も訪ねてみた。店主は「予約が殺到すると聞いている。常連さんを案内できなくなる」と明かした。
 一時的なブームに乗っても、いずれ波は去る。通い続ける客がいて、変わらずに迎え入れるお茶屋や料理店がある。「一見さんお断り」をたどった先に、信用を背景にした奥深い知恵があった。
   ◇
 1200年の歴史を持つ伝統行事から、路地裏の暮らしに息づく習俗まで、あらゆる「京都らしさ」がこの街には散らばっている。折しも空前の観光ブームに沸く古都だが、私たちの身の回りにある数々の事象に目を向けて見ると、意外と知られていない秘密や謎がある。まずは「食」をテーマにもう一歩奥に分け入ってみる。





引用元の記事はこちら(https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171018-00000022-kyt-cul)


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