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コンビニ各社が大々的宣伝してきたドーナツが不振にあえいでいる

2017年08月12日

コンビニがコーヒーで成功して、ドーナツで失敗した理由

コンビニ各社が「戦略商品」として大々的に宣伝してきたドーナツが不振にあえいでいる。

コンビニ・コーヒーやフライド・チキンは定番商品となったが、ドーナツは完全にパイの奪い合いとなってしまった。

コンビニ各社は「脱チェーンストア理論」を掲げ、個性的な店舗運営を目指しているが、言葉とは裏腹に現実にはむしろ商品の画一化が進んでいる。今後はM&A(合併・買収)が加速することで、個性的な商品や店舗はますます消滅していくかもしれない。
コーヒー大成功には理由がある

そもそもコンビニ各社が一斉にドーナツを積極展開したのはなぜなのか。その背景にはコンビニ・コーヒーの大成功がある。コンビニ・コーヒーは既存のコーヒー・チェーンにそれほど大きな影響を与えることなく、主力商品に育て上げることができたからである。

コンビニ・コーヒーは最近登場してきたというイメージが強いが、実はセブン-イレブンが30年以上も前から繰り返し導入を試みてきた。同社はオペレーションの問題などから本格展開を見送ってきたのだが、日本マクドナルドの「マックカフェ」の成功をきっかけに、サークルKサンクスがコーヒー市場への本格的な参入を開始。その後、ローソンやファミリーマートも追従、2013年にはセブンが満を持してサービスを始めたことで、市場が一気に拡大し、ヒット商品となったわけだ。

コンビニ各社がこれほどまでにコーヒーへの参入にこだわったのは、新しい需要を創造することによって、コンビニの潜在的な事業規模を拡大できると考えたからである。コンビニでコーヒーを購入する顧客は、必ずしも既存のコーヒー店の常連客とは限らない。既存市場とパイの奪い合いをせず、新しい需要を作り出すことができれば、コンビニの市場はまだまだ拡大が可能という期待が出てくる。

実際、コンビニ・コーヒーはそれに近い効果をもたらしたといってよい。セブンは2015年2月期において7億杯のコーヒーを提供したことを明らかにしている。セブンのコーヒーはホットの場合レギュラーサイズ(R)が税込100円、ラージサイズ(L)が150円、アイスの場合、レギュラーが100円、ラージが180円となっている。これが一年で7億杯出るので、セブン1社だけで年間約750億円もの売り上げとなった。


コーヒーの成功体験が招いた失敗

コンビニの店舗数は既存のコーヒー業界とは比較にならないレベルだけに、その影響は少なくない。最大手のセブンは約1万8000店、ローソンやファミマはそれぞれ1万2000店を展開しているのに対し、ドトールの店舗数が1400店であることを考えるとその巨大さが分かる。コンビニ各社のシェアからコンビニ・コーヒー市場全体の規模を推定すると約2000億円となるが、これはかなりの大きさである。

ちなみにスターバックスは情報が公開されていた2014年3月期時点において約1200億円の売上高があった。ドトールは全店売上高を公開していないが、直営店の売上高や加盟店からのロイヤリティ収入などを総合すると2015年2月時点で約1500億円の売上高があったと考えられる。つまり、コンビニ・コーヒーの規模はすでにコーヒー・チェーン大手を上回っているのだ。

コンビニがコーヒー事業に本格的に参入した場合、既存のコーヒー・チェーンが大打撃を受けると多くの人が予想したのもうなずける話である。

ところが不思議なことに、これほどの規模の競合が出現したにもかかわらず、既存コーヒー・チェーンは思ったほどの影響を受けていなかった。少なくとも現時点においては、コンビニ・コーヒーは既存のコーヒー・チェーンの顧客を根こそぎ奪っているという状況にはなっていない。それどころかコンビニ・コーヒーは、外で気軽に珈琲を飲むという習慣を定着させたという意味では、むしろ新しい需要を生み出したと考えてよいだろう。

このコーヒーでの成功体験から、同じように新しい市場を創造できるのではないかと考え、各社がこぞって参入したのがドーナツ市場なのだが、残念ながら今回はそううまくいかなかったようだ。
ドーナツがコケたのも、理由がある

セブンがセブンカフェドーナツを投入したのは2014年11月。その後、ローソン、ファミリーマートなど他社も相次いでこの分野に参入している。当初、セブンはドーナツ事業について年間6億個、売上高600億円を目標としていた。コーヒーを買った顧客の多くが、そのお供としてドーナツも買ってくれる、と考えたのだ。…ところが、フタを開けてみると売れ行きはさっぱりだった。

そこで、同社は2016年1月に商品ラインナップを全面的に刷新した。製造方法を根本的に見直すとともに、ツイスト(税込110円)や、きなこドーナツ(100円)などの新商品を次々と投入。さらに税込みで128円や138円といった高めの商品も追加。同年7月にはレモンドーナツ(115円)やポムドーナツ(128円)といった新商品の投入に合わせて、個別包装に切り替えている。

しかし、結果は焼け石に水。ドーナツの巻き返しには繋がっていないのが、現状だ。


あまりに小さすぎたドーナツ市場

なぜ「コンビニ・ドーナツ」は失敗したのか。それは、潜在市場規模を見誤ったからである。

ドーナツが売れないのはコンビニだけの話ではない。既存のドーナツ・チェーンも業績不振に苦しんでいる。ドーナツ最大手ミスタードーナツを展開するダスキンの2016年3月期決算は売上高が1652億円、経常利益が67億円と減収減益だった。

ミスドを中心とした外食部門が足を引っ張っており、外食部門単体で見ると15億円の営業赤字になっている。このほか、日本に鳴り物入りで進出し、当初は店舗に長蛇の列が出来ていたクリスピー・クリーム・ドーナツも相次いで店舗を閉鎖している。

言うまでもなく、これまで日本のドーナツ市場はミスドがほぼ独占状態だった。つまりミスドの売上高はそのまま日本のドーナツ市場とみてよい。だが同社の売上高は年々減少が続いており7年で3割も縮小しているのだ。

これは何を示しているのか。

当初、コンビニ側はコーヒー市場と同様、既存のドーナツ・チェーンとの奪い合いにはならず、新しい需要を開拓できると踏んでいた。しかしミスドの全店売上高は914億円しかなく、コーヒーに比べると市場規模の絶対値が小さい。

小規模な縮小市場にコンビニという巨大な鯨が参戦するということになると、さすがにコーヒーの時のようにはいかず、一気にパイの奪い合いになってしまった可能性が高い。これはコンビニにとっても完全な誤算だろう。

ちなみにコンビニの成功モデルの一つとなったフライド・チキンも、ドーナツと同様、既存市場の規模は大きくない。最大手のケンタッキーフライドチキンが高いシェアを占めており、市場規模はおおよそ1200億円。コンビニのフライドチキンは600億円以上の売上高があると推定されるが、ケンタッキーの売上高が減ったわけではなく、市場全体が拡大した。つまり、既存市場の規模が同じでも、ドーナツとフライドチキンでは潜在市場の規模が大きく違っていたことになる。

潜在市場規模を見誤れば、手痛い目に遭うということを、コンビニ・ドーナツは改めて教えてくれたのだ。一社だけが手を付けたのならほどほどに成功していたかもしれないが、そこに各社が乗り込むことで、「被害」はさらに大きくなる、ということも改めて分かった。

だが、今回のドーナツでの失敗からコンビニが学んだかと言えば、実はそうでもないようなのだ。それどころか、各社が同じ商品に参入し、市場を一気に飽和させてしまうという現象は、今後、さらに顕著になってくるかもしれない。全体の売上高に占める大手3社の割合が上昇しており、寡占化が進んでいるからだ。


もはやコンビニに個性を求めるだけ無駄なのか

最大手であるセブン-イレブン・ジャパンの2015年におけるシェアは39%、2位のローソンは21.5%、3位のファミリーマートは19.8%だった。上位3社のシェアを合計すると80%を超える。2009年の段階では大手3社のシェアは72.9%だったので、8ポイントほどシェアが拡大したことが分かる。

一方、4位のサークルKサンクスのシェアは13.2%から9.0%に、5位のミニストップは4.5%から3.1%にそれぞれ低下している。販売力のある大手が寡占化することで何とか売上を伸ばしている構図が見て取れる。この傾向はM&Aによってさらに加速する可能性が高い。

ファミリーマートとサークルKサンクスを運営するユニーグループ・ホールディングスは今年5月に株主総会を開催、両社の経営統合を承認した。9月には新会社「ユニー・ファミリーマートホールディングス」が発足する予定となっており、店舗ブランドもファミマに統一される。

ファミマとサンクスが一緒になると、単純計算でシェアは27.8%になり、ローソンを抜いて業界2位に躍り出る。ローソンも今年4月にスリーエフとの資本提携を発表、8月には一部店舗を譲り受けるなど規模の拡大を急いでいる。

これまでもコンビニ業界は大手3社の存在感が圧倒的に大きかったが、それでも地域ごとに特色のあるチェーン店が存在しており、商品ラインナップでも差別化を図る動きが続いてきた。しかし、ここまで寡占化が進んでくると、個性的なチェーンの維持はかなり難しくなってくる。近い将来は、どこに行っても同じブランドの店が並び、同じような商品ばかりという状況になっている危険性すら高い。

歴史を振り返ると、昭和の時代、日本でもいわゆる大型スーパーが普及し始めたが、商品価格はメーカーが一方的に決めるという硬直的な市場であった。こうした閉鎖的な状態に風穴を開け、大量調達によって安い商品を提供するというコンセプトで登場してきたのが、イオン(旧ジャスコ)やダイエー(一部店舗はイオンに移行)、セブン旧イトーヨーカ堂だった。

当時、こうした試みは「流通革命」と呼ばれていたが、思ったような展開はできなかった。日本では大規模小売店舗立地法(いわゆる大店法)の規制があり、安値販売のカギとなる大型店舗の出店が難しかったからである。

そこで庶民に安い商品を大量に提供するという流通革命の理想は諦め、現実路線としてコンビニに舵を切ったのがセブンだった。

折しも日本は人口減少社会に突入したこともあり、彼らは「脱チェーンストア理論」を掲げ、利用者のニーズにあった個性的な店舗運営に舵を切ろうと試みた。


続く消耗戦

この志自体は間違いではないのだが、現実は、各社横並びの商品ラインナップであり、ややもすると他の業界から顧客を奪うという消耗戦を続けている。一つの成功事例が登場すると、他社が次々にそれを真似るのは、ニーズの多様化に合わせた個性的な店舗運営が困難であることを、コンビニ各社自身が認識しているからにほかならない。

今後は大手による寡占化で画一化に拍車がかかる可能性すらあることを考えると、脱チェーンストア理論は絵に描いた餅かもしれない。

同じく流通革命の担い手として活躍してきた家具大手ニトリの似鳥昭雄会長は、最近のこうした脱チェーンストア理論に異議を唱えている。似鳥氏は工夫次第では、まだまだチェーンストアとしてマス市場を拡大することは可能だと主張している。

もしそうなのであれば、コンビニ各社もパイの奪い合いではなく、新しい需要を開拓することができるはずだが、はたして各社はその答を出すことができるのか。

残念ながらコンビニ各社の動きを見る限り、その答えを持っているとは考えにくい。





引用元の記事はこちら(http://gendai.ismedia.jp/articles/-/49504)


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